「記者サロン×耕論 小鳥博士に聞く 鳥は言葉を使えるってホント?」を視聴しました!!
以下、聞きながらメモってたことを自分用に簡単にざざっとまとめた資料用のようなものなので、お暇な方だけどうぞ。過去のシジュウカラの言葉の記事と重複している部分もあるよ。
はじめる前に
鈴木俊貴先生のお話はいつもとっても興味深いですね。
先生が動物言語学の研究のために森に通い始めて16年以上たつんだそうですよ。
春から夏までと10月くらいから冬まで年間6~8ヶ月は森にいるんだとか!!
シジュウカラとの出会いが大学2年のころ研究のテーマを決めるために色々見てらしたところ…シジュウカラが様々な鳴き声を出していることに興味を持ったそうですよ。
そこで、動物の言葉ってどのくらいあるのか?と調べたら…
当時の世界の学説では、言葉を持つのは人間だけで動物の鳴き声は感情の表れでしかない!とされていたんですね。
それを知った先生は、「世界の行く末がとても心配になった」そうです。
人だけが言葉を操れる!という固定観点に囚われてしまってないか?そう思い込んでないか?それってまさに井のなか中の蛙では?!
となり、僕がやるしかない!となって研究をはじめられたそうです。
2005年からスタートし、研究の前例がないので手探りで色々試行錯誤しながら研究を進め…2011年単語の発見、2016年には文法の発見をされています。
このあたりはNHKの番組「ダーウィンが来た!」などでも話されてましたね。
シジュウカラ語の証明
シジュウカラが本当に言葉を使っているか?を証明するために試行錯誤されていたわけですが…
どのように検証していったのか?というお話もたくさんされていました。
例えば…蛇(アオダイショウなど)に巣に侵入されて卵や親鳥が襲われたりするのでやはり蛇が天敵なわけですが、その蛇を表す単語が「ジャージャー」(ジャジャジャーと低音で空気がこすれるような音を出しているように聞こえました)だと観察されていました。
「ジャージャー」はこの声のことでしょうか?
この鳴き声を聞くと周囲のシジュウカラが蛇を探して地面を見るような仕草をする。
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蛇だ!という言葉を聞いて反応した?ではそれはどう証明する??
単に警戒の鳴き声を聞いて周りを見ただけかも?
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(他の天敵鷹は別の鳴き声の単語があって、鷹のときは周囲を警戒して地面は見ない。)
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単語(鳴き声)を聞いて蛇をしっかり連想してヘビがいそうな地面や木の幹を確認しているのではないか。それを証明するのには…
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例えば、人は単語に引っ張られて見間違えを起こす。見られるものが変わることがある。
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「ジャージャー」を聞かせた上で小枝を木の幹に這わせてみた
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普段気にしない木の枝なのに寄ってきた。
12羽中11羽が確認しによってきた!
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変な動きをした木の枝を確認しに来ただけでは?
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ほかの天敵の警戒の鳴き声ではほぼ確認に来ない。
蛇をイメージして近づいてきたといえるか。
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ただ動くものに近づいたのではないか?
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おおよそ蛇がしなさそうな動きを同じような小枝で試したところ、寄ってこなかった。
…。
シジュウカラの言葉ひとつを解き明かすのに、すごく色々な実験をされているんですね!!!!
ちなみにシジュウカラは一度騙すともう騙されないので全部違うシジュウカラで実験したんだとか。すごいです。
お話の中で、MRIなんかで測定しないのか?みたいな話も出てましたが…
(私はMRIってなんだっけ?ってなってました)
現状、動物のMRIは犬しかしっかりしたのがないそうですよ。
動いちゃうから!検査中に動いちゃだめだから、躾がしっかりできている犬くらいしかデータが無いんだそうです。
だからこそ、行動から頭の中を検証していく。のだそうです。
人間が知らないだけで、シジュウカラだけでなく他の動物にもこういった言語がありそうですよね。
例えば、ベルベットモンキーやミーアキャットは天敵の種類に応じて鳴き声を変えることがわかっているそうですよ。
まだ詳しく研究が進んでいないため、感情によっての鳴き声の変化の可能性ももちろんあるそうですが…(鷹へは恐怖心、蛇には敵愾心みたいな)言葉の可能性も大いにあるんだそうですよ!
詳しいシジュウカラの単語とか文法は過去にもまとめてるので御覧ください。
シジュウカラ語の文法
2016年には文法を発見されたということでしたね。
シジュウカラは秋から冬は3~10羽の群れをつくり、群れの中でさかんに会話している。その会話のレパートリー数は200種を超えるんだとか!
例えば…
・ピーツピ(これ、時々「ピピチュン」に聞こえた…)は「警戒しろ」と言う意味で、この鳴き声が聞こえると他のシジュウカラは周囲を警戒する。
・ヂヂヂは「集まれ」と言う意味で、餌があった時や近くに来てほしい時に使っている。
上の2つを組み合わせて鳴いていることが多くある。
(♪ヂヂヂ ピピチュンはこのあたりの声だろうか…)
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もしかして文章(2語分)になってないか?ということで、実験と検証をまた色々されていて…
90秒間の音声再生 (45声/分)→ピーツピとヂヂヂとピーツピヂヂヂで検証
・首振り回数(周囲の警戒)
・スピーカーへの接近の有無を記録
以上を観察されていて…
ピーツピは首振りが多く見られ、ヂヂヂだけだとスピーカーへのは接近が多く、ピーツピヂヂヂでは首振りも接近も両方多くでたそうです。
これだけでは「文法」ではなく単語の組み合わせでは?となるため、
「ピーツピ」の単語の組み合わせを入れ替えて「ヂヂヂピーツピ」という鳴き声を合成してスピーカーから流したところ、ほぼ反応せず動きは鈍くなったそうです。
このことから、シジュウカラの言葉のなかで、語順は決まっているということがわかりますね。(ルールがあるんですね!)
文法能力とは…?
人間は文法のルールを当てはめることで初めて聞いた文章だって正しくできる。
英語を知らなくても単語帳を見て文法のルールがわかれば解読できますよね。
シジュウカラもそうではないか?と観察する中で考えられたそうです。
では、それをどうやって検証したか?というと…
芸人のルー大柴さんが使用する「ルー語」を参考にしたそうです。(「藪からスティック!」みたいな)
多言語ごちゃまぜの「新しい文章」をシジュウカラは理解できるか検証するのにルー語を応用したんですね。
シジュウカラは冬の間、混群(カラ系の小鳥たちの群れをさす)を作り生活しています。これにより餌を見つけやすくなったり天敵に対抗しやすくなるんですね。
もちろん小鳥に寄って鳴き方は違います。
混群の一員であるコガラは「集まれ」の時には「ディーディー」と鳴きます。
シジュウカラはこの「ディーディー」にも反応して集まってきます。→同義語を理解している!ということですね。
シジュウカラが別のカラ系の小鳥たちの鳴き声を理解している。ということを踏まえ、合成したルー語でもシジュウカラは理解できるのか実験した結果…
見事理解して反応したそうです!!
その会話のレパートリー数は200種を超えると上述しましたが、
20個の単語×文法のルール→200以上のメッセージを使っている!
ということがすでに明らかになっているそうですよ。
とりあえずまとめ
これまでの研究で、人間以外の動物も、感情の表れ(怒りや喜び)だけでなく、単語・文法をつかい、単語からイメージをし、文法ルールを使って会話している。といえそうです。
ちなみに、シジュウカラの鳴き声は声紋をとって実験や検証に使用しているそうですよ。
先生は、普段からシジュウカラの言葉で世界を見ているそうで、鳴き声が聞こえると反応してしまうそうです。
こぼれ話としては…
シジュウカラは木の穴なんかを利用して巣を作ったりもしますが、町中では排水口の穴を使ってる例もあるんだそうです。そういえば友人宅のポストに巣を作ってたな…と思い出しました。巣箱をかけると結構使ってくれるそうですよ。先生は実験のために100個もの巣箱をかけたんだとか…多い…。
(建物の配線の穴?に巣を作ってるのは見たことあります。虫をくわえて巣に入り、白いものを加えて運び出していました)
個人的にびっくりしたのが、シジュウカラは毎朝一つずつ卵を産むこと!
一気にたくさん産むんじゃないんですね…なんか勘違いしてました。
8~13個と続けて毎日産むのだそうですよ!多いですね!
言葉を操る以外に賢いなーと思ったのは、幼鳥の糞を巣から回収するのは燕もしますし知ってましたが、回収した糞を川に流したりするのは知りませんでした。まさかのセルフ水洗トイレ…。
今後の動物言語学は…?
先生の研究で、動物の言語の新たな認識が他の動物学者にも広がっているそうです(人だけが高度だ!ではなくて、例えばシジュウカラはシジュウカラなりの言葉があったように他の動物にもあるかもしれない!)。
また海外の言語学会でも日本のシジュウカラが注目されているんですって!
シジュウカラに似た世界の小鳥の言語を解明しようという動きもあったり、他の動物学者から言語学について問い合わせがあるんだとか。
先生自身は引き続き森を拠点に研究をされつつ幼鳥への言語教育(本能で知っている部分はあるそうです)の論文化だったり、他の小鳥が鳴き声を理解しているという研究の論文を執筆されているんだそうですよ。
なんでも、スズメもシジュウカラ語を理解している可能性があるんですって!
東京の代々木公園で地面にいるスズメにスピーカーからシジュウカラの「集まれ!ヂヂヂ!」と流してもスズメたちは何の反応もしないのに、「鷹だ!ヒーヒーヒー!」には反応して一斉に木の枝に逃げた!という検証がすでにできているんですね。
色々な論文も進行中!!研究の完成が楽しみですね!!!
最後の質問コーナー(ざっくり聞き取れた分)
Q.相手にウソをつくことはあるのでしょうか?
A.あります。タカだ!ひひひひ!と鳴いて嘘をついて餌を独占する。(シジュウカラより小さなコガラがしているところを観察できている)
Q.鳥の観察をされていて一番難しいことは何でしょうか、一番うれしいことはなんですか?
A.鳥の気持ちになること
Q.シジュウカラのヒナは生後何ヶ月くらいから言葉を話し始めますか?
A.1~2ヶ月くらい。親鳥の鳴き声を聞き分けている。
生まれながら聞き分けた!本能で蛇をイメージしているようです?巣立ったあとに学習している?
Q.若者言葉のように鳥にも新しい単語が出てくるのか?
A.あるよ!コガラの鳴き声を真似してみたりしている。
シジュウカラの貯蓄した餌を奪うためにものまねして鳴いたりしている。
Q.鳥の祖先は恐竜であると聞きますが恐竜も言葉を操ってた可能性はありますか?
A.可能性はおおいにあるよ!
Q.鳥の研究者になるにはどこの大学がおすすめですか?
A鳥の何を研究するかに寄って変わるよ。言語学の他にも進化論とか生態とか…
Q.鳥語で話しかければ答えてくれますか?会話できるようになりますか?
A.声帯模写が得な方(江戸家猫八さん(故人))が試してくれた結果、難しかった。声の出し方がそもそも違うので(人は声帯から、鳥は鳴管という器官からだしている)完璧に真似することがとても難しい。
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